コラム

MA成功の鍵はコンテンツにあり

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MA(マーケティングオートメーション)を導入し、マーケティングを成功に導く鍵は何でしょうか?

もちろんMA活用を成功させるには、適切なタイミングにアプローチ可能なデータが揃っていること、PDCAを簡単に回せる仕組み等、沢山の要素がありますが、その中でも「コンテンツ」がMA活用成功の鍵になる事が多くあります。

※当コラムでは便宜上、B2C向けもB2B向けも含めてMAと表記しています

何故、コンテンツなのか?

MAによって実現させたいマーケティングコミュニケーションはどのようなものでしょうか?

決して
・最新のキャンペーン情報をお知らせしたい
・新着商品をお知らせしたい
といった目的ではないはずです。

理想としては「CX(顧客体験)の向上を図り、LTV最大化を目指す」コミュニケーションではないでしょうか?

とは言え、LTVの計測は非常に難しく、MAの導入効果を社内で示すためには四半期〜1年程度のスパンで計測した売上貢献も求められるのが現状です。

結果、MA活用では
1)購買意欲の高いユーザをコンバージョンに結びつける施策
2)購買意欲の低いユーザに対する需要喚起施策
が企画・実行されていきます。

1)購買意欲の高いユーザをコンバージョンに結びつける施策

購買履歴やログイン履歴、アクセスログ等を活用して「購買意欲の高いユーザ」を発見します。

購買意欲の高いユーザへは、新着商品やレコメンド商品、キャンペーン情報等を伝えることでコンバージョンを促します。

典型的な例は、ECサイトにおけるカート放棄メール(カゴ落ちメール)です。ナビプラス株式会社が提供するNaviPlusリタゲメールで実施したカゴ落ちメールによって、メール配信対象者の4人に1人が購入している事例も公表されています。

出典:サイト離脱後、短時間のメール配信で4人に1人が購入。「NaviPlusリタゲメール」は今や無くてはならない最強のコンバージョン施策(ナビプラス株式会社)

ECサイトでは、その他にも在庫切れになっていた商品の再入荷時にお知らせメールを配信するサービスもあります。

これらは、コンバージョンファネルの最終段階での離脱率を引き下げる、ファネルの幹を太くする施策です。

MAを組織に根付かせるためにもスタートで勝ちパターンを作ることは重要ですので、MAを活用する上では、まず最初に取り組む施策です。

ただ、この施策は数シナリオ実装すると弾切れになり「次はどうする?」という話に向かいます。

2)購買意欲の低いユーザに対する需要喚起施策

問題は、この需要喚起を目的とした施策です。

購入意欲が低いユーザでも既に購買意欲が高いユーザ同様、新着商品やレコメンド商品、キャンペーン情報等を訴求することでコンバージョンに至ることはあります。

しかし、これは「たまたま」探していた商品があった / 気に入った商品があった / 購入を考えていた等、ニーズが顕在化する前段階の見込客に「たまたま」フィットした場合も多く存在します。

重要なことは、多くのユーザは、商品やサービスを特に探してもいないし購入する予定もない事(期間・時間)の方が多いということです。(旅行は年に数回、住宅は数年に一度など)

こうしたユーザをコンバージョンまで結びつけるには「需要喚起」が必要です。

マーケティングの世界で有名なAIDAモデルで言うと主にDesire(欲求)のフェーズです。

MAは基本的に既存客をターゲットにしているため、Attention(認知)のフェーズはクリアされており、Interest(興味・関心)についても既存客に興味・関心を持ってもらう事は比較的容易です。

ただ、そこからAction(行動)に結びつくほど「欲しい!」と思わせる事のハードルが高い場合が多く見られます。

行動(コンバージョン)に結びつけるためには、
・今、この商品を購入するべきと考えてもらう
・他社ではなく自社から購入したいと考えてもらう
・商品の必要性を感じてもらう
必要があります。

もう少し抽象化すると
・タイミング(なぜ、今なのか?)
・競合比較(なぜ、自社なのか?)
・必要性(なぜ、必要なのか?)
です。

例えば、旅行会社の場合、具体的に旅行を計画・検討していないユーザにツアー申込みしてもらうには、この夏に旅行に行きたいと思わせて、かつ、自社のツアーを選んでもらう必要があります。

仮にこの夏に旅行に行きたいと思わせることに成功しても、他社と比較されて競合他社のツアーに申し込まれてしまっては意味がありません。

逆に、いつも良いツアーが販売されていると認知されていても、そのユーザが旅行に行きたいと具体的に考えない限り、ツアーは売れません。

また、銀行で投資信託を販売したい場合、顧客にリスクを取っても資産運用すべきと考えさせる必要があり、かつ、他社(証券会社を含む)でも取り扱っている投資信託を自社で購入してもらう理由も必要です。

では、どのようにして需要喚起を行うのか?

それが「コンテンツ」であると考えています。

MAで用意すべきコンテンツはどんなもの?

MA活用、特に需要喚起のためにはコンテンツが重要であると記載しましたが、では、どのようなコンテンツが必要なのでしょうか?

ポイントは「文脈」です。

例えば、住宅購入者に保険商品を売り込みたいと考えた場合、保険商品の素晴らしさを訴求するだけでは反応はありません。

このままでは文脈が全くないのです。

保険に興味を持っていない状態(購入意欲が低い)で、素晴らしさを訴求されても大部分のユーザは興味を持ちません。

ですが、住宅購入時に見直すべき保険のポイントを紹介するとどうでしょうか?

住宅ローンを組む際、契約者が死亡または高度障害状態になった場合等に住宅ローンの残額分の保険金が支払われる「団信」を契約する事が多いですが、団信には病期や怪我で働く事が出来なくなった場合には何のケアもありません。

そのため、病期や怪我で就業不能になっても、住宅ローンの支払いは必要になります。

住宅購入者へ、団信ではカバーされていないリスクに備える保険商品を訴求することで「自分ごと」になります。

このように文脈を持ったコンテンツが必要となります。

また同時に、MAを活用していればデータに基づくターゲティングが行われているため、文脈を持ったコンテンツでアプローチするのが当然とも言えます。

ターゲットに合わせてしっかりと文脈を持ったコンテンツを用意する事がMA活用を成功に導く鍵となります。

※MAの活用方法を当初から「1)購買意欲の高いユーザをコンバージョンに結びつける施策」に絞り、低コストながら必要な機能を最低限備えているツールを選定するのも賢い選択です。

著者プロフィール
大室 州
株式会社Finsight 代表取締役
MA、アドテク、アクセス解析など、マーケティングテクノロジーとデータの活用を軸に事業企画やコンサルティング業務に従事し、2016年10月に株式会社Finsightを設立。

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